高度なデジタル監視ソリューションは、屋外用、ボディマウント用、モバイルカメラなど、導入場面の多様化 に伴って、需要が拡大しています。カメラや監視機器に内蔵されるブートドライブなどのエンベデッドストレ ージは、衝撃、振動、過酷な温度や湿度などの環境条件に耐える堅牢性と、データの整合性を保つ高度な機能 を兼ね備えていることが必要です。
Ferri ただけ、 のエンベッドストレージポートフォリオは、低容量から高容量までの幅広いデバイスタイプをお選びい Silicon Motionが独自開発した高度な技術により、機密データを生涯にわたって保護します。
現在、政府、企業、個人が安全・安心を重視し、デジタル監視機器の需要に拍車をかけています。一方、カメ ラなどの機器は高機能化・低価格化が進み、モバイル監視や画像解析などの高度な機能に対応しています。こ れゆえに今は、成長のための絶好の条件が整っているのです。監視カメラの世界市場は8%以上の成長率 (CAGR)で推移しており、2025年には390億ドルを超えると予想されています。
主な要因は、都市部の継続的な人口増加、公的機関に保護装置を求める気運により、街頭レベルでの配備が進 んでいるためです。政府はテロの脅威を監視し、抑え込むため監視システムの情報に依存しています。また、 企業経営者が財産や資産を保護するためにデジタルカメラを導入し、個人レベルでデジタル監視を行うケース も増えています。この映像は、保険金請求だけでなく、訴訟のための証拠にもなります。また、留守中の訪問 者確認と、財産を守るためのビデオドアベルなど、家庭内監視用市場も拡大しています。
高解像度CMOSセンサーで、安価に、人物や行動を明確に識別できる高価値画像を撮影できるようになったの です。小型化も主要なトレンドであり、秘密監視の新たな機会を生み出すだけでなく、警察やその他の対応者 が使用する個人用ボディカムや、許可済みの監視活動用のドローン搭載カメラの配備を後押ししています。ま た、アナログからIPカメラへの移行や、より高度な機能を実現するAIやIoT技術の投入により、今後も新たな 監視カメラ製品やアプリケーションの開発が進むと思われます。
図 1:インテリジェントデジタル監視ソリューションが世界的に成長。
利用場面が絶えず拡大していくにつれて、デジタル監視システムはますます様々な場所、環境で設置されるよ うになっています。オートバイやドローン、移動ロボットなどへ外付け、電車やバス内に設置など、多岐にわ たっています。つまり、機械的な衝撃や振動、高温、多湿など、電子デジタル監視システムにとって過酷な操 作環境となる可能性があります。
狭いスペースにフィットするほどコンパクトで、最小限ソリューションのフットプリント、低消費電力、環境 条件に長期間耐え、かつ、安定した動作を維持することが求められます。
性能・信頼性向上へのニーズと並行して、スマートな画像処理能力への関心も高まっています。最新の高解像 度CMOSイメージセンサーや信号調整技術により、画質の向上が進む一方で、記録された画像の価値を最大限 に高めるために、オブジェクトの自動的な分類・認識がますます必要とされています。
これらの技術に基づくアプリケーションは、以下の利用における基礎情報となります。
• 人数集計、人口統計分析、国境警備、動線分析、混雑分析などの行動分析
• 顔認識、識別、ジオフェンシング、逃走犯検知など
このようなインテリジェントなデジタル監視アプリケーションの出現により、より鮮明な画質への要求が高ま り、カメラ設計はより高解像度化へと向かっています。そのゆえに、3Mp、5Mp、8Mpのセンサーがますま す求められています。
さらに、機器の設計者は、ストレージなど、システムの他の重要な側面の性能を高めるイノベーションを求め ています。
Silicon MotionのFerriエンベデッドストレージポートフォリオには、FerriSSD、Ferri-UFS、Ferri-eMMC製品 があります。すべて、優れた電気的性能と長いサイクル寿命で知られるNANDフラッシュ技術をベースにして います。
Ferriエンベデッドストレージは、NANDフラッシュ固有の利点と高信頼性設計を組み合わせ、各種デバイス仕 様に合わせた幅広い環境適応性を実現しています。シングルチップのソリッドステートフラッシュストレージ デバイスや、最小限の設置面積で多様なアプリケーションの要件を満たすモジュールなど、幅広いラインナッ プを取り揃えています。
Silicon Motionのダイナミック・パワー・マネジメント技術を活用したフレキシブルな省電力モードにより、 あらゆる動作モードにおいて可能な限り低い消費電力を実現できることがFerriのエンベデッドストレージの さらなる利点です。このチップは、ネットワークビデオレコーダー (NVR)、デジタルビデオレコーダー (DVR)、 IPカメラなど、さまざまな種類の機器にブートストレージとして簡単に組み込むことができます(図2)。
図2:DVR、NVR、IPカメラなどの監視装置向けFerriシリーズ起動ディスク。
Ferriのエンベデッドストレージポートフォリオは、設計者に幅広い仕様の選択肢と異なるオペレーティング・ プラットフォームに適応する柔軟性を提供し、多種多様なデジタル監視システムのニーズに応えます。Ferri SSDはSATAとNVMeの実装に対応し、Ferri-UFSとFerri-eMMCはそれぞれUFSとeMMCに最適です。また、豊 富な容量オプションをご用意しています。
• Ferriエンベデッドストレージは、様々な性能とコスト要求を満たすために、SLC、TLCなどのNANDフラ ッシュメモリオプションを提供しています。
• 4GBから32GBまでの低容量メモリは、コスト重視のアプリケーション向けに様々なスタイルで提供され ています。
• FerriSSDファミリーは、モノリシックデバイスに加え、2.5インチ、mSATA、Half-Slim SATA、M.2フォ ームファクタ用のモジュールもご用意しています。
• PCIe と SATA のバリエーションは、表 1 に見られるように、より高い性能を必要とするアプリケーショ ン向けに DRAM を内蔵しています。
NANDフラッシュメモリを用いた固体記憶装置は、可動部がないため、衝撃に強いという特長があります。書 き込み寿命や記憶容量が周囲温度に大きく影響されることも特筆すべき点です。
• Ferriエンベデッドストレージは、商業用、工業用、車載(最も過酷な利用環境)の動作温度グレードが あります。
• FerriSSDは、この種の製品としては初めて、ターゲットとなるアプリケーション環境での長期安定動作の ための放熱機能を内蔵しています(表2)。
監視システムは通常、365日、7×24時間、長時間の連続稼働が要求されます。そのため、Ferriのエンベデッ ド型ストレージは、信頼性を最大限に高め、長期安定稼働を実現するための機能をいくつか備えています。ま た、各シリーズは、ライフサイクルの異なるステージでNAND型フラッシュストレージデバイスの潜在的な故 障リスクを最小化するために、技術固有の高信頼性メカニズムを採用しています。
● 導入初期の故障リスク
• 製造時にSilicon Motion独自の総合的な検査対策を施しています。
• 製造時のテストでは、NANDメモリのユニット、ページ、ブロックごとに高温・低温の検知を行いま す。
• Ferriシリーズの各製品は、ユーザーにお届けする製品が適切な仕様をすべて満たしていることを確 認するために、全数テストを実施しています。
● 導入中期の故障リスク
動作中に過度の温度や電断、その他の危険にさらされると、ホストとストレージデバイス間で伝送ビッ トエラーが発生し、データ損失やメモリセルへの永久的な損傷を引き起こす可能性があります。
このようなリスクを軽減するために、FerriSSDは書き込まれたデータの安定性と信頼性を効果的に保護 する様々な機能を提供します。以下のような機能があります。
• エンドツーエンドのデータパス保護
• ECCエンジン内蔵
• インテリジェントスキャン
• パワーオフ保護機構
エンドツーエンドのデータアクセスパス保護は、リカバリーエンジンを通じて完全なデータエラー検出機能を 実現します。この保護機能は、ハードウェア(ASIC)、ファームウェア、NANDフラッシュメモリから、 SRAMやDRAMバッファメモリなどの揮発性メモリまで、SSDデータアクセスパスのすべてのリンクにおける エラーを検出することができます。 図3の1行目と2行目は、それぞれ読み 込みと書き込みのプロセスを示して います。また、データアクセスや転 送時のエラー防止のために、正しい データ転送を確認するCRC検出機能 を搭載しています。
図3:エンドツーエンドのデータパス保護により、Ferriストレージのデータ保全性を確保
Ferriエンベデッドストレージ製品の内蔵ECCエンジンは、書き込みエラーを訂正し、NANDメモリの寿命を延 ばします。Ferri-eMMCにはBCH ECCエンジンが、Ferri-UFSにはSilicon Motionの第4世代LDPC ECCエンジン が搭載されています。
FerriSSDは、LDPC ECCとSilicon MotionのNANDXtend®技術によって実装されたグループページRAIDアル ゴリズムを組み合わせています。このアルゴリズムは、より大きな16KBコードワード単位のエラーを補正し、 従来のSSDで使用されている通常の1KBコードワード単位のECCエンジンでは提供できない、第二レベルの保 護を提供します。
図4:Silicon Motionの NandXtend 技術は、監視装置の信頼性を高 めます。
Ferri独自のIntelligentScan機能は、NANDメモリブロックやセルの状態を検出し、DataRefresh機能と連携 して、故障の危険性があるフラッシュメモリを自動的に修復または交換する機能です。この2つの機能を併用 することで、読み取り障害を防ぎ、ストレージデバイス全体の信頼性と安定性を維持することができます。
IntelligentScanは、ホストのアクセス動作や周囲温度の上昇などの使用環境の変化を検知すると、自動的に起 動します。FerriSSDデバイスの内蔵温度センサーと連動し、動作温度の上昇を検知すると自動的にスキャン頻 度を増加させ、アクセスエラーの発生確率を最小限に抑えます。
図5:IntelligentScanは、ストレージデバイスの寿命まで信頼性の高いデータ保持を実現します。
また、Ferri-UFS、Ferri-eMMCともにPowerShield、DataPhoenixの技術を搭載しており、電源障害によるデ ータ破損の可能性に対応することが可能です。
また、Ferriのエンベデッド型ストレージは、電源オフ時に特定領域の書き込み速度を高速化し、DRAMデータ をNANDメモリに書き込むSilicon MotionのFastWrite技術を搭載しています。これにより、UPSの容量に対す る要求を軽減し、電断時の影響を最小限に抑えることができます。
また、Ferriのエンベデッド型ストレージは、電源オフ時に特定領域の書き込み速度を高速化し、DRAMデータ をNANDメモリに書き込むSilicon MotionのFastWrite技術を搭載しています。これにより、UPSの容量に対す る要求を軽減し、電断時の影響を最小限に抑えることができます。
● 導入末期における故障のリスク
NANDフラッシュメモリの寿命は、書き込み・消去の回数によって制限されることが知られており、 この制限に達すると誤動作する可能性があります。Ferriエンベデッドストレージストレージ製品には、 高度なグローバル・ウェアレベリング技術が採用されており、書き込みと消去の動作をすべての NANDメモリセルに均等に分散させ、メモリの寿命を延ばすことができます。
Silicon MotionのFerriエンベデッドストレージポートフォリオには、デジタル監視アプリケーションに適した幅 広い製品が揃っています。特にFerriSSDは、極めて小さなフットプリントを実現し、多様なインターフェースと 容量オプション、さまざまな動作温度グレードを提供し、高信頼性設計のための先進機能を包括的に採用してい ます。
さらに、Silicon Motionは、ユーザーの特別なニーズに合わせてカスタマイズ、Ferriエンベデッドストレージの ポートフォリオに対応しています。