ソリッドステートドライブはエントリーレベルのコンシューマ機器からミッションクリティカルなシステムまで 高い信頼性を届けてきました。過剰なアクセス、高温、不安定な電源、悪意ある攻撃などによるデータ損失に備 えた対策で、適切なデータ保護を講じ、ドライブの寿命を最大化できます。
ソリッドステートドライブ(SSD)は、組込みコンピューティングアプリケーション向けに高性能かつコンパクト なストレージを提供し、現代のデジタルライフスタイルを可能にしています。SSD は車載コンピューティングお よびナビゲーションシステム、シンクライアント、POS端末、多機能プリンタ、通信機器、工場のオートメーシ ョンシステム、小さなデータセンターからクラウドレベルまで各タイプ・サイズのサーバーなどで見られます。
一般的なSSDの寿命は使用するNANDフラッシュテクノロジーに大きく左右されます。QLC(クアッドレベルセ ル)とTLC(トリプルレベルセル)のNANDの寿命は1セルあたりのP/Eサイクルが1,000~3,000回に対し、MLC (マルチレベルセル)の予想P/Eサイクルは3,000~10,000回であり、SLC(シングルレベルセル)はP/Eサイク ルが、100,000回です。この理解に立ち、システム設計者はアプリケーションに必要な耐久性、価格、不可欠性に 応じた最適なSSDテクノロジーを選択できます。耐久性が最も低く安価なTLC NANDはコスパ重視のコンシュー マ製品向けとして一般的に需要があります。
既存テクノロジーに対する一般的な寿命は予測できますが、既存のドライブの実際の寿命は予測できません。予 期せぬエラーはデータの損失、システムのダウンタイム、修理コスト発生の原因となり、不便な状況を生むばか りか、壊滅的な結果を招くこともあります。システム設計者は、SSDを管理・保護して、寿命を最大化し、ドラ イブのエラーを未然に防ぐツールが必要です。
SSD の欠陥はシステムの性能を大幅に低下させます。低速な読み取りと書き込み、アクセス時間の増加と頻繁な エラー処理は反応の鈍化とシステム全体の性能低下の原因になります。
エラー発生後の回復と修理には欠陥SSDの交換、バックアップからデータの回復、システム再設定が含まれ、い ずれも時間を費やして、余分なコストをもたらします。これらの問題の診断と解決はプロのサポートが必要です。 SSD の欠陥修正が容易でない場合、組込みシステム全体の交換が必要な場合もあります。
つまり、SSDの欠陥軽減には正しいバックアップ、冗長性対策、モニタリングが欠かせません。
SSDをセキュアに管理できるツールの中では、内蔵のデータ保護機構が想定製品寿命でのエラーを防止、緩和でき ます。また、ドライブの寿命低下の原因になりうる長引く持続時間、過剰な読み込みアクセス、過酷な温度差、 高温、不安定な電源、ハッキングに対する保護を可能にします。
FerriSSDはインテリジェントデータ保護を組み合わせてアプリケーショごとに異なるストレージ要件に対応し、データ損失の可能性がある様々な環境でスムーズに起動できます。
IntelligentLog™を含むこれらのメカニズムはSSD の状態を包括的に記録するため、システム開発者は現在の状 態を把握し、適切な措置を講じることができます。SSD が利用限界に達する際、潜在的な危険を事前にホストへ 通知し、データ移行を事前に行うことでデータのインテグリティを実現し、あらゆる損失を防止します。また、 主要なイベントログを迅速に記録し、デバッグが効率化されます。さらに、IntelligentScan™ は自動スキャンと 修復対応で、セキュアなブロックに保存されたデータを正確に読み取り/書き込みます。こうしてデータストレー ジの耐久性を向上し、SSDの寿命を延ばします(図1参照)。
図1:IntelligentScan & DataRefreshの機能はデータ損失前に高リスクの損失要素を検出することができます。
高温に晒されると、NANDフラッシュメモリセルの劣化が進み、時間経過に伴うドライブの寿命低下などSSDに 多くの損害が発生する可能性があります。また、過酷な温度は保存データの整合性に悪影響をもたらし、読み込み /書き取りエラーのリスクが高まります。性能低下でアクセス時間の鈍化、通信速度の低下、レイテンシの問題 などが発生し、システム全体の性能と反応性低下が起こります。
FerriSSDのIntelligentThermal™ は、ドライブの温度をモニタリングし、一定の限界温度を超えると冷却機構が 作動します。ホスト制御温度管理(HCTM)とドライブ制御温度管理(DCTM)から合理的に選択して温度を制 御して高温環境によるSSDへの損傷を防止します。
電源の損失は様々な方法でデータ保護に悪影響をもたらす可能性があります。書き込み中に電源が突然喪失する と、SSDはデータ書き込み完了に十分な時間を確保できず、書き込みデータまたはメタデータの一部が一致せず、 保存データの破壊やアクセス不可となります。また、メモリセル間で書き込み操作を均等に分散するために定期 的に行われるウエアレベリングなどのリマッピング中の電源損失はデータマッピングのエラーやデータ位置の不 正なトラッキングの原因となります。こうしてデータの損失や分裂が発生し、保存データ全体の信頼性とアクセ シビリティに悪影響をもたらします。
さらに、キャッシュデータがメインストレージへ書き込まれる前に電源を損失するとキャッシュで一時的に保存 されているデータが失われ、データの不一致やファイルシステム破壊が発生します。電源の損失は、保存データ の編成と管理のためのメタデータの更新や同期を阻害し、データ破壊や不一致でシステム起動中にエラーが発生 したり、ファイルシステムの整合性に影響が及ぶことがあります。
FerriSSDのIntelligentShield™ は電断から保護すべく全てのデータを指定のセキュアなブロックへ確実に転送し、 データの損失を防止します。ドライブは電源内の不安定をできるだけ速やかに検出すべくこのメカニズムを起動 し、FerriSSDのIntelligentFlush™も同様に作動します。こうして安定した速度で即時データを移動し、セキュア なブロックへデータの移動が可能になります(図2参照)。
図2:IntelligentFlush™は即時データを安定した速度で移動し、データのセキュアなブロックへの移動が可能
データ保護機能にはSSDの管理機能を低下させるハッカーからの攻撃阻止も含まれています。SSD内の各データ の送信と保護はファームウェアで管理されるため、ハッカー攻撃からの保護が必要不可欠です。Ferriの IntelligentGuard™ テクノロジーは SSDファームウェアの認証と保護機構を強化しています(図3参照)。
図3:IntelligentGuard™ テクノロジーがSSDファームウ ェアの認証と保護機構強化でブートセキュリティを維持。
他にも表面実装アセンブリ前にデータを安全なブ ロックにロードできるIntelligentImage™があり ます。リフローソルダリングなどの製造時の危険 から保護し、製造ラインの効率性を大幅に向上し ます、そして、IntelligentZones™ は複数の ZNS(Zoned Namespace)でシステム設計者の要件 に合わせてSSDを調節することができます。この SSD は複数のブロックに分かれ、データが設計に 基づいた正しいブロックへ配置されます。こうし てSSD容量を効率的に利用してデータのインテグ リティを実現し経済的利益を最大化します。
インテリジェントデータ保護シリーズは様々な環 境における効果的なソリューションで、ドライブ に保存されている全てのデータを保護します。こ れら最先端の保護対策のおかげでユーザーはドラ イブの寿命を延ばし、データを常に安全に保つこ とができます。