March 11, 2024

幅広いOEM認証SSDの安定性、信頼性、データ保存の耐久性を実現

幅広いOEM認証SSDの安定性、信頼性、データ保存の耐久性を実現

ITアプリケーションに堅牢なデータストレージシステムが必要不可欠な今、ストレージデバイスの安定性と信頼性が 生産性や安全性を決定します。

ソリッドステートドライブ(SSD)はすでにPC、ノートPCにとって必須アイテムとなり(図1)、SSDコントローラ はSSD のコアとして機能し、脳や神経のように作用しています。SSDとホスト間のアクセスや伝送を制御しながら、 フラッシュメモリのブロック制御も行い、コントローラは軸となる役割を果たしています。それゆえに、コントロー ラの品質がSSDストレージデバイスの性能、寿命を大きく左右し、その容量が大きくなるほど、安定性や信頼性の実 現は最重要となっています。

図1:ソリッドステートドライブ(SSD)は既にノートPCに欠かせない部品の一つ

限られたフォームファクターで大容量への要 求に応え続けるにつれ、SSDは現在、QLC (クアッドレベルセル)で200層以上の3Dス タック技術で応えるようになり、最大容量は 4TBに達しています。

しかし、フラッシュメモリのストレージ大容 量化とともに、より顕著な読取り/書込み干 渉と耐用性問題が発生するため、コントロー ラは精緻で信頼性の高いアクセス制御とエラ ー訂正を備える必要があります。信頼できる アクセス制御とエラー修正構造があって初め てSSDストレージデバイスが機能と耐久性、 信頼性の要求を両立することが出来るように なります。

認証でSSD制御チップの安定性と信頼性を確保

多様化している利用環境において、SSDストレージデバイスの機能と安定性を確保するため、SSDコントローラは様々 な利用環境への適応性、互換性、低消費電力などの特性を持ちながら、多様なアプリケーションに適した調整、例え ば、アクセス管理、加速、データ保護機能、を行っています。ただし、実際の環境で効率的に特性を確保することに 現実の課題があり、包括的な認証プロセスを経て、コントローラの品質と実際の適用性評価を提供するに至りました。

コンシューマSSD制御チップが抱える課題

SSDコントローラが共有する課題に加え、特定のアプリケーション固有の課題も抱えています。

SSDコントローラは利用環境によりエンタープライズ、コンシューマ、工業用、車載用などに分かれ、データセンタ ー、PC/ノートPC、産業用制御システム、自動車などに特有の環境向けに設計されます。とりわけ、オープンな環境 下に置かれるPC / ノートPCでは(クライアントSSDコントローラを使用)、この環境ゆえに複雑な互換性問題が発生 します。例えば、OS、BIOS、ドライバ、PCIeデバイスなどの組み合わせに起因するものです。しかし、徹底した認 証プロセスさえあれば、SSDコントローラの互換性と安定性を確保することができます。

コンシューマSSDは適切な認証プロセスで品質を保証

クライアントアプリケーションの複雑な利用環境に直面し、コントローラの信頼せや安定性の確保には特別な認証プ ロセスが欠かせません。

SSDコントローラのグローバルサプライヤとして、当社は柔軟性のあるカスタマイズソリューションをSSDモジュール /OEM メーカーに提供し、同時に、コントローラのシステム性能テストや互換性テストなど設計と生産に関するトー タル支援サービスを提供することができます。

PC OEMメーカーの要望に対応すべく、Silicon Motionは4段階の開発、テスト、製品ライフサイクルをカバーする認 証プロセスを採用し、SSDコントローラの品質を確保しています。

最初の設計開発段階では、社内テスト通過後、OEM認証試験を実施、認証を得て承認を得た後、次世代の製品開発に 至るまで、メンテナンスサービスを提供します。この一連のプロセスにおける厳しいテストがあってこそ信頼性と安 定性の確保に至るのです。

Silicon Motionの社内認証段階において、以下のテストを実施します。

サードパーティの測定機器と社内開発の高度なスクリプトを使用して、PCIeとNVMeプ ロトコルテスト、フィードバックテストを実施し、これによって迅速、正確にSSDコン トローラチップの基本I/Oコマンド能力を測定します。
SSDスペースの50%、90%を使用後、各種性能テストを実施します。これによってユー ザーによる長期使用をシミュレーション後、SSDの利用可能なブロック領域が大幅に減 っている場合に基本性能要件を満たしているか、特に、SSDの利用可能なブロック領域 がほぼ消耗している場合のガベージコレクション(Garbage Collection Collection,GC) 性能をテストします。
ウォームブート/コールドブート/S3/S4/モダンスタンバイなどのテストを実施。専用の電 断ツールを利用して数千回の「電源オンオフ/スリープ解除」のテストを行います。過酷 な作業環境とサーバーの電気供給が不安定な状況を想定して、SSDコントローラチップの 動作の安定性をテストすることでデータを完全に保護します。

図2:電源オンオフ/スリープ解除圧力テスト

大手PCメーカーの最新機種で、エンジニアチームが設計したテスト項目(電源管 理S3/S4/モダンスタンバイ、リードライトストレス、性能、電源オンオフ上など) を実施し、SSDコントローラの互換性をテストします。
専門の測定機器で異なる電源状態別に電源の消耗を測定します。サードパーティ のソフトウェアを使用して、ビジネスオフィスでの使用をシュミレーション、各 段階別の消耗を測定します。
SSDコントローラ内蔵のAES 128/256 暗号化アルゴリズム、TCG Opal 2.0などの セキュリティ性能をテストします。また、Ulink(TCG OPAL/Certification)、 WHQL IEEE 1667、Bitlockerなどのセキュリティ性能の検証も行います。

OEM検証段階では、提携OEMメーカーがこれらのテストを行います。

Silicon Motionのテストチームが初期の信頼性テスト(高低温ストレステスト など)を実施し、OEMメーカーが追加のテスト実施によりSSDコントローラが 信頼性基準を満たしているかテストし、Silicon Motionチームがこれをサポー トします。
より多様化した操作環境への適応が必要なノートPCに対して、OEMメーカーが 環境適応性テストを実施します。劣悪な環境を想定して、SSDコントローラを 内蔵したノートPCの劣悪な環境下における処理能力をテストし、Silicon Motionチームがこれをサポートします。

図3:チャンバーによる高低温ストレステスト

こうしたテストを通過してこそ、当社SSDコントローラの品質と過酷な環境での安定性、信頼性、性能、安全性など 各種操作環境への適応能力が保証されます。

Silicon Motion SSDコントローラのOEM認証での実績

多くのPC OEMメーカーと提携実績こそが、当社SSDコントローラの品質を保証するものであり、テストおよび認証プ ロセスが適正なものであることを示しています。

当社はSSDコントローラのトップメーカーであり、コンシューマSSD市場において30%以上のシェアを誇り、OEMと 自社ブランドSSD製品は幅広く採用されています。

PC 用SSDのOEM分野において、当社SSDコントローラICは主要NANDメーカーに広く採用され、OEM用に提供、世界 に名だたるPC/ノートPCブランドでの採用を通して、大手メーカーのサプライチェーンの中で重要な役割を果たして います。

こうしたPC大手メーカーのOEM認証プロセス合格実績は、当社SSDコントローラの安定性、信頼性、データ保護性能 を保証するに十分であることを示しています。